7) 仕事に集中する方法

月をみて綺麗だなあと思って時を忘れます。そうした心境になったことは誰でもあります。そうした時間を超越した心は計算できません。よく物事に「没頭」するといいますが、そうした現象はどうして起こるのでしょうか。こうした現象を分析していくと人間が計算できない領域に入っていきます。何が起こるかと言うと、時間が経つのを忘れてしまいます。それ以上に、寝ることよりも今行っていることが好きになり、何時間でも我を忘れるようになります。

この精神状態は西田幾多郎の哲学で言うところの「絶対無」です。松尾芭蕉が「古池や 蛙飛び込む 水の音」と読んだ無心の心境と一緒です。彼は自然と一体になり、そこに時間を忘れて溶け込んだので、こうした句がよめたのです。自分の存在すら忘れて、自然と一体になるということです。

こうした心境にあなたがなることができれば、あなたの仕事や勉強の成績が飛躍的に向上することが出来ると思います。いやいや仕事とか勉強をしている人が多すぎるようです。実にもったいないことです。では、どのようにすれば、こうした時空を乗り越えた心境のなれるのでしょうか。

フローとは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいる精神的な状態を言います。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれています。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されています。こうした不思議な精神の世界に入って、我を忘れるという現象を分析し、誰でもがそうなれるような方法を講義しようと思います。