4) コミュ ニケーション

この講義は儒学がその背景にあります。人間の本質に迫れば心が広がります。こうした内容を解説し、議論します。お互いに理解し合うことはなかなかできない。双方がその意思疎通がうまくいかないときに、大事なことは耐えることです。意見が違うときにも、安易に反論してはいけません。相手の意見にどんなに腹が立っても、平然と受け止められるような訓練をしなければなりません。気宇壮大な心を持つことが大事です。心を開いて、生まれたままの心になって、相手の話を聞くことです。思い切って、あなたの気持ちを言う勇気を持つことです。善悪の判断は相手が決めるのだ。あなたではありません。格好良く生きていくにはどうしたら良いのでしょうか。

どのように行動すれば格好良く生きることができるのか。人との付き合い方で困ってはいないか?人への対応の仕方が間違っていないか?中国の古代の人はその解を「修身斉家治国平天下」に求めた。現代でも、ビックリするようなことを昔の人は言っていた。何を言われようと平然としていられるような心を鍛錬しなければならない。それができるようになれば、世の中の全てのことが平然と対応できるようになる。腹を立てているうちは耐えるという言葉が必要なのだが、100回、1,000回と修練をしていくうちに、腹が立たなくなる。そうなれば耐えるということもなくなってくる。喜怒哀楽全てが一緒だ。嫉妬も一緒だ。中江藤樹は「忍んで百忍に至れば満腔の春」と言った。耐えていけば、心が動かなくなる。

孟子の言葉に「浩然の気」というのがあるが、それは天地に満ちる広々とした気、大いなる気のことで、何事も懼(おそ)れず、どんな事態になっても、動じない精神のことをいう。どんな物事でもとらわれない、おおらかな心を養うという意味だが、その背景には徳を身につけた何事にも恐れることのない心の研鑽がその背景にある。相手との信頼関係において、あなたが自己を抑えて、この「浩然の気」を持っていれば、相手のどんな言葉でも受け止めることができるのである。そこで初めて、相手が何を言おうと心が動かなくなるのである。