実践的な孫子の兵法

孫子の兵法をどのように解釈したら良いのか小説を輪読して具体的、実践的に、孫子の兵法を理解します。日本人は真面目、正直ですが、そうした良い側面がある一方で、騙されやすいとも言えます。そうした日本人が世界で戦っていくための知恵を教えます。

実際の講義録は以下のとおりです。

 

参考資料は以下の書籍(日本語)です。
孫子の兵法 英和対訳 YouTubeでの解説
The global leader 日本企業は中国企業に勝てるのでしょうか?日本ビジネスプラン

 

孫子の兵法」凡そ戦いは正を以て合い、奇を以て勝つ

日本人が海外で営業をしようとしても、海外で商習慣とか文化の違いから現地の市場とか合弁相手との交渉がうまく行かないケースが多いと言えます。理由は日本人のビジネスの進め方が「真面目」「正直」「勤勉」「嘘つかない」という文化が海外でのビジネス展開を阻害しています。すなわち孫子で言うところの「正」です。日本企業はますます華僑のビジネスの仕方を学ぶ必要があります。

【孫子の兵法】 『凡そ戦いは正を以て合い、奇を以て勝つ』

日本人の世界 ー> 正
華僑及び欧米人の世界 ー>正と奇

「正」だけ持っています。
“真面目”“正直”“勤勉”“嘘をつかない
日本人は相手の嘘を見抜くスキルを持っていません。

海外の人は「正」と「奇」を合わせて、同時に活用します。
「奇」とは策略であり、機敏に裏をかく作戦です。海外の人は「嘘をつく」「騙す」といったことをどう見抜くかのノウハウを身につけています。

 

孫子の兵法の研修資料

孫子の兵法 兵勢篇
凡そ戦いは、正を以て合し、奇を以て勝つ。故に、善く奇を出す者は窮まり無きこと天地の如く、竭(つ)きざること江河の如し。終わりて復た始まるは、日月是れなり。死して復た生ずるは、四時是れなり。声は五に過ぎざるも、五声の変は勝(あ)げて聴く可からざるなり。色は五に過ぎざるも、五色の変は勝げて観る可からざるなり。味は五に過ぎざるも、五味の変は勝げて嘗(な)む可からざるなり。戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮む可からざるなり。奇正の還りて相い生ずるは、環の端なきが如し。孰(たれ)か能く之を窮めんや。

 

日本企業は中国企業に アジアで勝てるのか?

 

2017年2月電子出版

この小説で「孫子の兵法」だけではなく、中国の儒学を勉強する必要があることも述べています。なぜその必要があるのかというと日本人のリーダーシップの根源はこの儒学にあるからです。日本人は江戸時代までは藩校での勉学はこの儒学だった。老子が「無用の用」と言った言葉がそれです。あえて学ぶ必要がないのですが、それがないと人間としての威厳がでない。人としての厚みがないということです。知識だけではダメなのです。

主人公は勝つための作戦を徹底的に立てています。孫子のいう「廟算」です。そうした上で、競争相手の中国企業のふところに飛び込んでいきます。こうしたことは今までの日本人にはできません。本書ではあえてそうした行動を主人公に取らせています。そして相手の信頼を得ていきます。そうして、相手が信頼したら、相手の弱点を見つけ出します。ところが相手はそう簡単には日本企業との合意をしようとはしません。 最後は主人公が今まで学んで来た儒学を述べることによって、相手の心を開かせるというシナリオです。途中、様々な課題と問題が出てきます。それを主人公の佐々木は一つ一つ果敢に挑戦していきます。

孫子の兵法 始計篇
「未だ戦わずして廟算するに、勝つ者は算を得ること多きなり。未だ戦わずして廟算するに、勝たざる者は算を得ること少なきなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。況んや算無きに於いてをや。吾れ、此れを以て之を観るに、勝負見わる。

第1章 グローバルリーダーとは何だ。
第2章 競合相手は中国企業だ。
第3章 どうすれば勝てるのでしょうか。
第4章 敵地の北京に乗り込む。
第5章 敵が自ら弱点を告白した。
第6章 合意の糸口が見えない。
第7章 敵の董事長が信用した。
第8章 勝負の結果を社長に報告します